先ほど帰宅したらポストに届いていた一通の手紙。
待ちわびていた。
その薄さに、がっくりと力が抜けた私。
デジャブのように、同じ薄さの封筒を、去年の私も受け取っていた。
でも、どちらでも薄い手紙なのかもしれない、と言い聞かせながらも、やっぱり違うよなぁ、とうなだれてしまう。
◇※◇ ◇※◇ ◇※◇
それまではただ漠然と、宇宙も恐竜も好きだった双子が、
去年のコロナ休校のあたりに、無料でたくさんのオンラインクラスや講座を受ける機会をいただき、はやぶさ2の津田プロジェクトマネージャーと、国立天文台チリ観測所アルマ望遠鏡の阪本先生と、宇宙リーダーの和田先生の対談を聞く機会をもらって、
その、大の大人たちが少年のようにキラキラした目で、宇宙のことを語り合っている姿にすっかり釘付けになり、魅了された息子たち。
特に、一気にその夢を具体的に描き始めたモキチが、宇宙留学をしたいと言い出すまでにあまり時間はかからなかった。
宇宙留学とは、山村留学のひとつで、
種子島宇宙センターがある南種子町で一年間、現地の小中学校に転校して里親と共に生活し、JAXAの協力による体験ができたり、ロケット打ち上げを間近で見学したり、島民としての生活を体験するというもの。
ずっと前、3~4歳の頃からよくロケットを見に行っていたJAXA相模原キャンパスで見かけた宇宙留学のポスター。
いつか大きくなったら君たちも行きたいっていうのかな、小学校2年生からだって、まだまだ先だね、と言っていた。
去年、家族のもとを離れて、一年間、宇宙留学したいと言ったときは驚いたけれど
その真剣な表情に、全力で応援したいと思った。
でも、選ばれず。
去年その願いが叶わなかったとき、落ち込みながらも、
ほんとはちょっと、ほっとしたんだ、
と内緒で教えてくれた息子。
選ばれなかったのは力不足とか、そういうことではなく、基本は先着順で決まるようだが、単に受け入れてくれるいくつかの小さな小学校の人数に対し、その学年で受けいれる枠がその年はなかったり、男女の比率だったり、家族留学希望の人との兼ね合いもあるのか・・といった感じで。
去年はたぶん送るのが遅かったんだな、ということで、
今年も行きたい!と言い、
また頑張って作文を書いた息子を応援する気持ちで、今年は早めに送った。
だから、今年はきっと大丈夫!と思っていた。
来年はモキチは種子島だからなぁ、と、予定を考えるときも考慮したりしていた。
珍しく今日はモキチが一人で先に帰宅した。
本人に手紙を渡し、一緒に読む。
そこにはやはり「誠に申し訳ありませんが、」と。
「え。 ダメだったの。」
そう言って、漫画本を持って向こうへ行ったモキチ。
近づいていって、
「残念だったね」
と言うと
「もう、オレ、落ち込んじゃうよ」
「もう、諦めるしかないよ。もうオレの夢はかなわないよ」
と言う。
「泣いてもいいんだよ」
というと、
みるみる涙が零れ落ちた。
「残念だったね。残念だったね。」
と言いながら、背中をさすった。
今年はいけると思ったのにね。
心の準備もできてたのにね。
うん。
でもモキチの夢は、種子島に宇宙留学に行くことじゃないよね。
宇宙留学は、モキチの大きな夢の途中にある、通り道のひとつだよね。
うん。
涙を拭いて、うつむいていた顔が上を向く。
うん。
何かが彼の中で動いたようだ。
種子島に行くことが夢なんじゃない。
涙を拭いたモキチの表情は明るかった。
いくつもの涙を乗り越えて、
それが本当に叶えたい夢ならば、
夢はもっと、大きく成長するのかもしれない。
悔しさが、栄養になるのかもしれない。
来年も宇宙留学したいという望みは、かなわないかもしれない。
それでも、大丈夫なんだろうと、思えた。(言ってないけど)
とりあえず一度は、ロケット打ち上げ見学、行こうか、と思った。(言ってないけど)
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